アケビ(2022・10・31)



田舎の秋の少年たちの日常です。

秋になり仲間と山中を探検する際には、皆必ず木の上の方を注視しながら歩きます。誰かが蔓に下がったアケビを見つけると叫び声があがります。そしてそれを収穫する危険をおかせる者が取りに向かい、取ったアケビを木の上から落とします。それから実の出来を確認し、全員が口にできるように分けたら一斉に口に運びます。その瞬間は皆一番の笑顔になります。全員が一個ずつ食べることができる幸運なときには上級生から食べたいアケビを選びます。歩きながら口の中でぐちゅぐちゅして果汁だけを味わい、口に残った沢山の小さな種をその辺に思い切り吐き散らかすのです。

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